なんでもほどほどが一番。

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看護師の夜勤バイトのお話ね。

このところ、
元気がなくなってきた方がいてね。

この方はかたいお仕事をされて人生を過ごされて、
言葉で表すと“矍鑠（かくしゃく）としたご老人”ってぴったり。

はっきり、くっきりみたいな背筋の伸びた人。

先日、熱がでたと聞いて・・
夜勤の最初の見回りのときお顔を見に行った。

元気がないかな？ってお顔を見に来たよ。

「元気だよ。大丈夫。」

小さい声で言ってくれた。

いつもよりは勢いがないねぇ。
私が心配そうに見えただろうか。

「なんでもほどほどが一番。」
そこだけはっきり仰った。

そうかもねぇ、今日はゆっくりご飯食べようね。
こっくりとうなづいてくださった。

頑張ってご飯を食べてきたけど、
今週になって更に少し弱ってきた。

もう食事は難しい。
きっとこのままソフトランディングの方向になる。

目をつむっていることも多い。
あまり言葉も聞かれない。

元気になって欲しいは、
ずっとは叶えられない望みなんだ。

寂しいけど・・

その気持ちを抑えながら、
お顔をみながらつぶやいてみる。

痛いことはなるべく少なく、
穏やかな時間が一秒でも長いように。

時々目を開けてくれるから、そのときは笑顔をみせたい。

ほどほどで、ゆっくりいきましょうねと。