飲み込んだひと言でも。

Tweet

Pocket

街中で偶然、Mちゃんのお母さんに再会。

「浅原さん、お元気ですか？」
って、嬉しい。覚えていてくれて。

だって、もうきっと20年くらい前のことだもの。

お変わりないですか？
弟くんももう大きいよね？中学生？

「もう高校生よ。」と。

あー、私の中の時計が止まっている気がする。

心臓が悪くて、
身体がなかなか大きく慣れなかったMちゃんが
お母さんに抱かれていた頃。。
まだ弟くんは生まれていなかったものね。

お母さんが変わっていないのもありますが。。

もうそんなに時が経ったかしらねぇ。
Mちゃんが大きくなっていたら何歳だろう。。

そんなひと言をぐっと飲み込んで。

いつまでも言わない、言えない、そんな言葉もある。

お父さんにも宜しくお伝えくださいねって、
歩き出したところへ
後ろからお母さんが追いかけてこられた。

「浅原さん、これっ。今日頂いたクッキーだけど。」って。

飲み込んだひと言は、きっと同じだね。

でもね、気持ちは通じている気がした。

ちょっぴりうるうるしながら、そいでも笑顔で手を振った午後。