死は様々と知る。
看取りケアの合宿セミナーの資料を作りながら、
看護師時代のいろいろなことを思い出したりしている。
その中でも痛感するのは、
死に対してのなんの教育も受けてこなかったのだということ。
❝なんの❞は言葉が過ぎるだろうか、
でも今となっては心境はそんな感じ。
このことは「喪失とともに生きる」の第一章でも少し触れた。
なぜその状態で看護師が出来ていたか、今となっては分からなくなった。
(今の看護教育では、少し学ぶのだと思います。
シラバスまでチェックしていないので。。私の頃の話です。)
死に対する教育といっても、
❝死❞そのものも分かっていなかったのだろうと思う。
看護学校で習ったことは、
死の三大兆候とエンゼルケアの手順であって。。
それは❝死❞や❝いのち❞のことではなかった。
生命が終わること。
だが、それは人にとって画一的なことではない。
年齢・性別・職業・家族背景・パーソナリティ
病気か事故か、自死か、ご本人の捉え方や生き様
ご家族の捉え方、看取りの環境や状況。。。
これだけをとっても、何ひとつ同じことはないだろう。
生命の死は概念があっても、
人の死は様々だということも長い間私は知らなかったのかもしれない。
人の死は様々だ、
これだけ知るだけでも❝生❞からの味方も変わるだろう。
テレビドラマのように家族に囲まれて、
声を掛け合って見送られることがいい死だというイメージだけで生きなくていい。
どれがいいとか、あれはつらいとか、
そこから解放されて、医療者がひろがりをもっていくこと。
そのことが、目の前の患者さんのいのちを見つめる一歩になる。
死に至る前の看取りからの視点が変わることが、
ケアの視点も展開されていくことになるだろう。
そんなことを考えながら、
看取りケアの資料を作っている雨降りの昨日と晴天の今日。
2016/05/27 | グリーフとの向き合い方, セミナー グリーフケア, セミナー, 看護師時代
関連記事
-
2022年 夏至の余白
日常の中にある大切なこと、 人生には気が付くタイミングがあります。 ...
-
2021年10月 グリーフケア~はじめの一歩 ご感想
ブログを毎日にしなくなって、 めっきりご感想等も遅れてしまいすみませ...
-
2021年12月10日 インナーチャイルド・ワークショップ
年2回の機会、ワークショップのご案内です。 インナーチャイルド・ワー...
新着記事
-
2022年 夏至の余白
日常の中にある大切なこと、 人生には気が付くタイミングがあります。 ...
-
2021年10月 グリーフケア~はじめの一歩 ご感想
ブログを毎日にしなくなって、 めっきりご感想等も遅れてしまいすみませ...
PREV : 「喪失とともに生きる」ご感想 M様 その2
NEXT : そもそも。。