存在という支え
「おもいでっ、本当に可愛かったから。。」
ご老人と接していて感じることは、
お子様をなくしている方の多さです。
時代が違うと言えば、それまでですが。。
いのちは保障されているものではない。
医療が格段に進歩する以前。。
人がいろいろなことが望みどおりになると思う前には、
いのちは大いなるものにお任せするという意志があった。
その頃の死の受け止めは、現代と異なることも多く感じる。
看護師の夜勤バイトをしていると、
人生のお話をするなかで先に先に生き抜いた方のお話も伺うことがある。
「こどもはいないの。死んじゃったの。
2歳だったよ。風邪をひいてね、あっという間に死んじゃった。」
普段は認知が進んでいて会話が難しいこの方も、
お子様のお話のときの口調は早かった。
❝そう、風邪も命取りだったものね。。悲しかったですよね。
。。その後の人生の支えはどんなことでしたか?❞
そう聞いた私に、
間髪入れず冒頭の言葉で応えてくださった。
言葉だけを取ってしまうと、
想い出などでやっていけるかと今渦中の方は感じるでしょう。
身も心ももぎ取られたような、
これを埋めるものなどないと経験されているだろうから。
きっとこの方も単なる想い出ではないのだと思うのです。
この方が発した「想い出」という言葉は、
私には❝存在❞って聞こえた。
いなくなってしまったけど、
お腹にきて、出逢って、笑っていた。
あのこはいた。
私達家族の一員として、存在していた。
その存在が支えだと。
その想いを抱いて生きてきたと、
そう言いたかったのではないかと思うのです。
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