羽根つけてくれる?
ナースコールで呼ばれていったら・・
「あれ、見たことない顔だ。」って。
あるでしょ。忘れちゃったの?
寂しいなぁ、と。
そうは言っても90代後半だし、
認知症もあるのでいつもの会話でもある。
そうしたら・・
「見たことない顔だから、私天国にきちゃったかと思った。」
そう真顔で仰ったので、思わず笑ってしまった。
あら、天使に見えたなら嬉しいけど。
残念ながら、まだ羽根がありませーん。
そう言ったら、今度はHさんが大笑いした。
「羽根がないと、えーかん頑張らないと飛べないね。」
(えーかんは、ものすごくとかとてもの意味ね。)
「私、あの世じゃなくて天国にいくから。」
「私がいくときには、羽根つけてくれる?」
「羽根がないと大変だもの。」
と言われた。
どうしようかと迷う間もなく、口が動いてた。
うん、そのときになったらね。
羽根つけちゃうね。
「もうすぐかな?」
まだこんなにお達者だから、まだまだかなぁ。
お耳もよく聞こえてますし、はっきりお喋り出来ますし。
私と冗談も言い合えますし。
夜中はよく寝てね、明日おはようって言うね。
「うん、朝ご飯に起こしてね。おやすみ。」
もっと話したかったけど夜中ですし、
目が覚めないように残念ながら終了とした。
こういう場面があると、
やっぱり臨床の現場はいいなと思えちゃう。
毎回でもないし、何千の場面の中のひとつ。
そのひとつひとつも、
いのちの輝きで照らされて特別でもあり・・
結局どれも忘れられない日常でもある。
そう・・美しさは特別な場面でなく、日常の中にある。
たまに天使の役も回ってくる役徳はオマケ。
羽根をつける大役まで請け負うことになったけど。
出逢いへの感謝を抱きしめる。
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