そばゲッティ

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そばゲッティ・・現実にない言葉ですが、私には大切な言葉です。
今日はこのことを書こうと思います。

私は看護師時代、
数人の虐待に関係するケースを受け持ちました。
内容は様々ですが、ここでは詳細の明言は避けておきます。

その中のひとりにHくんという男の子がいました。

彼は本来は生まれもっての病気で入院してきました。
でも、養育が十分ではない面がありました。

ご両親も優しい、いい方ですよ。
私もいろんなことをお話しました。
一生懸命やられて生活していましたが、
残念ながら能力的に不十分な様々な事情がありました。

彼は自宅の隣の小屋のようなところで生活をしていました。
台所も、お風呂もありません。

だから・・
入院してきて、苦労したのは日常生活面でした。

食事のとり方、お風呂の入り方、
トイレでのルール、寝るときは布団で寝ること、
ありとあらゆることから教える必要がありました。

病院に来て、みるみる成長して。。
看護師のことも名前があると知りました。

浅原さんって、なんのことか分かるようになりました。

優しさや寂しさも覚えました。
野生のように暮らしていた方が、
寂しい思いもなかったかと実は私は悩んだこともありました。

これ、食べなー。

Xmasの日、多くのこどもが家族と過ごす中。。
ひとりで過ごすHくんが切なくなり、
夜勤の人に断りをして私は差し入れをしました。
（家族がするのはいいけど、本当は職員は駄目だけど。。
すみません。読んだ方は、時効にしてください。）
夜勤の勤務者も許してくれました。
 

私が持ち込んだコンビニのスパゲッティを食べて、
彼は目をまんまるくしました。

「美味しいっ」

「浅原さん、これなぁに？」

ミートソーススパゲッティだよ。

 
「ス、ス？　・・」

「そばゲッティ！？」

「美味しいねぇ。」

昭和の話じゃありません。
平成の時代のエピソードです。

彼は調理の要らないパンや、
カップ麺は食べることが多かったのだと思います。
麺で知っているのは、そばだったのでしょう。

でも今どきのこどもが大好きな甘いものや、
スパゲッティは食べたことがありませんでした。

私には今でも、
このときの光景が目に焼き付いています。

全てのこどもは適切な養育を受けることが望ましいと、
このときほど実感したことがないからです。

どのこどもにも成長という可能性が必要だと。

文字やテレビでなく、
目の前にいるこどもがそれを表していたからです。

だから、今でも力尽きることなく。。
医療の現場では実践はしていないけれど、
チャリティイベントにきてくださいとお伝えしています。

現実で起きていることを知って欲しいからです。
誰かを責めたり、罰しても、終わらないからです。

皆さんが知ってくださることが、
関心を持ち続けてくださることが大切だと思っています。

そこから、
誰かが手を差し伸べてくれることに繋がると信じています。

家庭では叶わなかったかもしれないけど、
社会にでてきたとき誰かの温かい気持ちに触れたら、
そうしたら・・こども達の心はまた成長するからです。

すぐに解決はしない問題と知っているけれど、
ひとりが動いてくれることで・・こどもの未来が変わります。

いのちが失われずに済むことに繋がる可能性があります。

良かったら、チャリティにいらしてください。

5歩目のチャリティnight

2016年6月28日、心をこめて私がお話をします。

大切な話を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

チャリティnightの概要はこちらから