絶望名人カフカの人生論
この本を知ったときの第一印象は、
“良かったぁ、そうだよね。”だった。
何がそうだよねと言えば。。
ポジティブまっしぐらって違和感あるのだよね、である。
人生にはいろんなことがあって苦しみも切なさもあるのに、
いつの間にか“前向き”だけが奨励されているみたいで。。
前向きに、を否定はしないけど。。
大切な人を亡くしたばかりで涙に暮れている人にまで、
前向きにいこうなどと声が掛かる。
ガンと言われたばかりの人にも、
いいことあるって。。などと本人が思っていないことを押し付ける。
でもご本人達もそこで反論や怒りに転じることも出来ず、
“前向きになれない自分が駄目なんです”と前向き説の攻撃を自ら受けている。
それで、自分を責めている。。
それは、一体どういうこと?
って気持ちがあって、講演やセミナーで言い続けているけど。
イマイチ、反応が悪いこともある。
現実を知るのは苦しいのかもしれないね。
でも、私はその啓蒙は通すと決めてやってきた。
人生には大事な人やものをなくすこともあって、
耐えられないと感じるほどの苦しみや切なさを感じることもある。
すぐには前向きになんてなれなくて当然なんだ。
ってこと。
胸の痛みは感じ切ることが大切と思うんだ。
だって、それは大切な人への想いだから。
人がそこから受け取ったものにも通じるから。
大事なとこはその後から見えることなんです。
で、この本で描かれているカフカの言葉を読んでいると。。
“そうだよね”の連発なんです。
良かった、カフカでもそう思っていたのですね。
って。。実はカフカって敬遠してた。
高校の頃読んだ「変身」がおどろしい印象で、
難しいことばかりを書く人かと思っていたけど。
この本は構成がとても読ませる。
カフカの遺した言葉とともに、
生い立ちや人間関係、伝記のようだけどフランクに彼を知れる。
著書の方のお人柄かしら?
カフカが大分身近な人間に感じられてくる。
どこかでお会いしたいなぁ。
私は、“はじめに”がお気に入り。
あとは、“第二章 世の中に絶望した” “第十二章 真実に絶望した”
が今は繰り返しページを開く。
また折にふれて、ページを捲ることだろう。
今まで、この役目は
だったけど。。
私の中で何かの交代の時期がきているのかもね。
そんな一冊はあなたにもありますか?
2016/04/12 | グリーフとの向き合い方, ナラティブ
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