向こうからは見えている。
「うちはね、太陽とかじゃなくて月なんです。」
「あのこが逝ったとき、月が綺麗で・・
戒名に月の字が入っていて、
偶然なんだけど月なんだなぁって。」
久しぶりに会ったママさんが、
こんなことを教えてくれた。
「浅原さんとここで会えるなんて・・
丁度13回忌です。」
13年・・もうそんなに経ちましたか。
お線香を上げさせて頂き、
玄関を出たお庭の出口で泣き合ったのはこないだのよう・・
いるはずの人がいない毎日を、
御家族がどんな想いで紡いできたか。
私には計りきれない程です。
それでもね・・
あのこの笑顔が浮かんできて、
思わず「月もずっと空にあるよ」
そう言った。
「そう、向こうからは見えてるんですよね。」
あぁ、そうだよねぇ。
どこまでも、どこまでいっても、
あのこはどうしているだろう。
御家族はあのこに想いを馳せる。
グリーフケアでいう位置づけは、
時々こちらの人の気休めのように言われるけど。
決してそうじゃない。
大切な人がいる居場所だ。
「浅原さんが持ってきてくれた絵本、
あれ忘れてないです。」
「覚えてます?」
「他のひとにも渡したりしたんですよ。」
勿論、覚えている。
横に並んでお話しながら、
私も同じ表紙を想い浮かべていた。
私達は切なさをともにしながら、
ひかりの世界を胸に抱く。
きっと、Yちゃん笑ってるね。
ちゃんと泣いてよって・・
僕はどんなときも全力だったぞー、
そう言ってるなぁ。
想いを抱いてまた繋いでいく。
この人生の今と自分を・・
向こうからは見えている。
写真はカンボジアの小児病院と月
2019/10/30 | グリーフとの向き合い方, ナラティブ お問い合わせ, カウンセリング, グリーフケア, グリーフケア~はじめの一歩, グリーフブック, セミナー, 予期悲嘆, 喪失とともに生きる, 御家族から教えて頂いたこと, 看取り, 看護
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