今日もいちにちごくろーさん。

って、先日寝たきりのおじいちゃんが突然言った。
（状態の描写は敢えてしないので、
寝たきりという表現を許して下さいね。）

 

その方はね、普段あまりお話しないのです。。
もうお食事も口からは摂っていない。

 

 

でもね、時々少し返事をしてくれる。

 

 

私は看護師ですから、
処置がある方との関わりの方が多くなる。

 

 

そのときも話していたら、
介護の人が声を聞きつけて。。
「えっ、○○さんて、話せるんですか？」
とお部屋に入ってきたんです。

 

 

 

「僕、話したことなかった。。」

「いつも話してくれたらよかったのに。。」

 

 

寝たきりの方を、
もう話せないように思うことがきっとありますね。
慣れない方だと余計にありがちです。
その人が慣れないというより、
最近は社会情勢の影響から、介護職の新米さんも多いので。。

 

優しい介護さんなので、若干落ち込んだようだった。

 

 

話せるよー、待ってあげたらいいよ。
要求しないで、声掛けて少し間とったらいいよって。

 

 

援助職って、大変なケアや汚れるケアもたくさん。

 

私はそんなに気にならない方ですが。。
お話し出来る方が励みになるって思う人もいるだろう。

 

話してくれないと物足りない想いも持つことだろう。

 

 

 

ケアをする人って、いろんなことや想いがあるけどさ。

 

そんなふうに毎日いろいろケアする中で、
たまーに見られる輝く瞬間を拾い集めて紡いでいく。。

 

そんな仕事ではないかと、私は思うの。

 

 

 

その人のいうように、毎回話してくれたらいいけど。。

毎回笑った顔見たいけど。。

おじいちゃんにも都合があるんだな、きっと。

 

 

だから、こちらは毎日同じようにケアしながら。。
たまに見られる最高の瞬間を毎日ひたすら待つのです。

 

 

そうすると、出逢えるよ。

 

 

 

 

おやすみなさい。今日もおしまいですよ。

 

「ほーか（そうか）、
今日もいちにちごくろーさん。」

「明日の朝もくる？」

 

私もここまでのこの方の長い言葉、久々に聞いた。
びっくりやら、嬉しいやら。

 

 

うん、また明日。よく寝てね。

 

 

 

このときから、
またこんなにきちんと声を聴いてないけれど。

最近は、眠っていることが多いけど。。

 

 

 

あの笑顔の記憶は残ってるから。

 

今日も笑顔で伝えよう。

 

今日も一日お疲れ様でした。また明日。
おやすみなさい。