“人は弱い”でもいいじゃないか。
強いとか弱いとかの表現はいつからするようになっただろう。
いつから人は強くないと駄目になっただろう。
人には生きる力はあり、それはとても素晴らしい。
それはいのちの不思議という尊さというものに基づいているから。
でもいのちは儚い。
人間の身体はとても精巧にできていると思う。
医療現場で仕事をしてきた私は、そのことをよく知っている。
けれど、少しでもバランスを崩せば。。
脆いものでもあるとも痛いほどに見てきた。
人の身体が精巧にできていて、いのちの神秘に満ちていて、
知能が高いからって、強く長く生きられるという保証はない。
だって、現実の世界にはいろんなことが起こるから。
いのちは有限だから。それは普遍だから。
私達は植物に強く生きろとは要求しないのに、
人には強くあれと望むんだ。
いや、強くありたいという願望を人にも押し付けるのかもしれない。
最近、ここ数年の頑張りを強いと褒めて頂くことも増えたけど。。
私はきっと強くない。
私なんて生きていなくてもいいと思ってずっと生きてきた。
実を言うと、今もまだ胸のかなりの奥底ではちょっとそう思う。
これは人の根源的な想いだから、払拭はしないのかもしれない。
でも弱くてもいいじゃないか、
そう思えたからここまで生きているのだと思う。
どちらでもいい。だって、私のいのちはほんの数十年。
いつどんな形で終わるかも分からない。
この儚いいのちを受け取ったことが既に奇跡なら、
それが軌跡でいいじゃないか。。そう思えてきたから。
だから目の前に出逢うご縁を大事に生きたら、もうそれでいい。
そのご縁を大切に、自分の出来ることを精一杯。
多少のことしかできないけれど、
それを受け取ってくれる人の人生には宝になることもある。
いのちの輝きになることもある。
そのくらいで、それが充分なんだって。
私が見送ったこども達はそう教えてくれた。
弱くたっていいじゃない。
いのちは儚いから、尊いもの。
強くいきるより、
それを忘れないことが大事なこと。
まだそう思えなくてもいいよ。
私もずっとそうだったもの。
それでも、また拓ける道がある。
そこから繋がっていく何かがある。
人はずっとそうして生きてきた。
今の時間もたくさんの人がそうして生きている。
この世界中のみんなで生きている。
そのことを知って下さい。
儚く、脆くとも、美しく、尊いと。
2016/04/07 | グリーフとの向き合い方, 繋ぐ・繋がる グリーフケア, 気付く
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