七夕の夢

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一番好きな行事かも・・七夕の夜。
ロマンチックだけでなく、切なさもある。

看護師の夜勤バイトでも同じ。
他の行事は病院で過ごす方達が、
少しばかりの切なさも抱えるけれど。。七夕はそれほどでもなくて。

何よりケアさん達が飾り付ける笹をみんなで見上げる。

訳もなく豊かな気持ちになれるのか、みんな笑顔になるね。

施設で一番多いお願いは、
“歩けるようになりますように”
ここは少し切ないけれど、リハビリ頑張ってるもんね。
だから、少しばかりの光でもあるでしょう。

今年の私の一番お気に入りは、
Hさんの書いた“あの人の愛が欲しい”

誰を想って書いたのか聞いてみたいけど、
男性だから遠慮しておこうかと・・

そう思っていたら、
夕食の後にひとりでいるところを発見☆チャンスかも。

「Hさんの短冊素敵だったですね。」と話しかけてみた。

「俺、書いてないよ。書いた覚えがない。」

忘れちゃったのか、覚えていないのか、
照れ隠しか・・まぁ、よしとした。

二番目のお気に入りは、
Uさんの“あの日に帰りたい”

ここは読んで、そっと胸にしまっておくことにした。
こないだ転んじゃって、落ち込んでいるんだもんな。
早く痛みがとれますように。

 
お年を召しても、願い事にはその人らしさがある。

いつになっても、現実的だけでないお願いを書きたいな。

 
誰にでも、もう一度会いたい人がいて。
また帰りたいあの日がある。

あの日の種子

 
お願いには、
それまでの人生で失ったものと得たものが交差するような気がして。

今年は晴れたねぇ、彦星と織姫は会えるかな。
会えるといいね、そんな会話のでる夕食のひととき。

夢を見ていたいね、七夕の夜。

またあの人と会えますようにと。

これまで創った人生の続きの夢がありますようにと。

TS3U0719