サンタクロースになれなかった話
「僕に出来ることはなんでもします。
だからお願いです、、こどもを助けて下さい。」
20数年前のXmasの夜。。
そう言われたことがある。
急に容体が変化して、搬送されたお子様で。
血液が足りなくて、知り合いにかけてもみんな外出していると。
「Xmasだから、誰も連絡がつかないです。。」
まだ世間はバブルが終わった名残で、賑やかな頃だった。
まだ携帯電話もない時代だった。
私が言われたのは、
まだ新人でその緊急事態には関わっていなかったから。
御家族からの報告を病棟の外でお話ししたのだと思う。
なんて答えたのか、
この後のことを何故か覚えていない。
いまでも思い出すのは、
きっとものすごく切なかったのだと思う。
低く、低く頭を下げるお父さんの頭と、
その下にある立ちすくむ私のナースシューズ・・
この光景が今でも私の心にはある。
医療で出来ることをすべてしても、救えないいのちもある。
今でも、あのおうちではXmasは切ない夜だろうか。。
毎年思い出す。
誰か寄り添ってくれた方はいただろうか。
あの頃、グリーフという認識があったら何か違っただろうか。
そんなどうにもならないことを、今でも考えたりする。
病気や事故にお休みはないし、
どうにもならないことはあると知っていても
Xmasくらい世界が平和であって欲しいとか
少し贅沢なことを望んでみたりしてしまう。
2013/12/23 | グリーフとの向き合い方, ナラティブ グリーフケア, 御家族から教えて頂いたこと, 看護師時代
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