そんなんも、こんなんも。

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また夜勤バイトのお話しです。

いつも夜中に迷子になられる方がたくさんいます。
お部屋が分からなくなるのですよね。

まだ寒い頃の夜中でした。
夜中と言っても、4時くらいかな。

いつものように、あるおじいちゃんがうろうろと。
（イニシャルも何なんで。。おじいちゃんでご勘弁下さい。）

私はいつも笑顔の愛らしいこの方と、
手を繋いでお部屋まで行くのが
少しばかり夜勤バイトの楽しみなんですが。。

「あっちに行ったら、清水に帰れますか？」って。

そうかぁ、帰り道をお探しでしたか？
今日はもう夜中だから、泊まってくださいね。
お部屋まで送りますよ。

私がそう言ったらね。。

「悪いねぇ。。」
「迷惑ばっかり掛けて、生きてきて。。」

なんかね、
“そんなことないですよ”じゃあ、その夜は足りない気がした。

そんなんも、こんなんもあって。。
いい人生でしたよねぇ。。

って、ふと言っていました。。私。

その瞬間、おじいちゃんの目から
ぼろぼろぼろって大粒の涙が。。
「ありがとう。。ありがとう。。」って。

こちらこそ、ありがとうございます。

綺麗な涙でした。

今どこにいるか、今がいつか分からなくとも。

自分がどう生きたか、人は感じるのだろう。言葉にはならなくとも。

これもいのちからのメッセージだろうと感じた瞬間。

すごい数十年連れ添った気分になれちゃったおまけ付きでした。

人生って、紫陽花の花みたく。。

あんなんも、そんなん、こんなんもの小さな欠片の集まりな気がします。