げんこつ飴

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夏には祖父の命日があります。

もう20数年経ちますし、
私も若く今より見えていなかったものがたくさんあります。

私の祖父は、昔ながらのぶっきらぼうな人でした。

口数も多くなく、にこやかでもない。

今の時代ほど、 男性が愛情表現もしない時代でしたね。

それでも私は初孫で、 可愛がってもらったのだと思います。

そんな祖父の愛情表現は、 私を構うことでした。

構うというと、遊んでもらうイメージですが。。

こどもと遊ぶということが上手に出来ない祖父は、
何かあるとげんこつを作ってこつんとやるのです。

今になって私も大人になってみると、
それでひゃーひゃーとする反応が
きっと良かったのだと分かるのですが。。

当時はそれがイヤでイヤで。。
おじいちゃんなんて大嫌いくらいに思ってました(笑)

この季節に毎年、
あの「飴あげるよ、ほらげんこつ飴っ」
ってゴツンを思い出すところをみると。。

私も祖父の愛がやっと分かる大人になった気がします。

今年もそんな夏。。
またお空に帰るじいちゃんに手を振って、また来年です。

つゆ草は、祖父を思い出す。
何故だろうと、今書きながら。。
そうか、摘んでいたときを思い出すと
視界の端には祖父がいる。

遊ぶのは下手だったけど、
黙って見守ってくれている人だったね。